超人気キラーブランドの始まりは、路地裏の小さなお店から・・・岸★ 正龍 (著)
本書のテーマは、キラーブランドの作り方であります。2004年10月刊なので、既に7年も前に世に出た本だが、流行廃れの激しいWebデザインにおいても通じる点があると感じたので取り上げさせてもらいます。
リアルターゲット
まず目に留まったのが、リアルターゲットの設定の重要性を説いている部分。具体的な人(身近な人)=リアルターゲットを想定し、その人を感動させるプロダクトを作る。そのために、その人物の日常(何時に起きて、朝食に何を食べるか?好きな映画は? 行きつけのバーは?等々)をしっかり把握すること。(これは正にWeb作りにおけるペルソナではないか!)
確かに、新しい商品やサービスを企画する際、どこにエッジを立てて従来品、競合他社と差別化するか綿密に調査し、議論する。よく起こるのが万人受けを狙い、逆に万人からそっぽを向かれるケース。よほど画期的な新製品、新サービスでない限り八方美人的アプローチは失敗する。要するに、コンシューマーから見て特徴がなくブランドスイッチする意味が感じられないのである。せいぜい従来品(定番商品)のサブとして使われる程度であろう。そもそもできるだけ多くの人に使ってもらいたい、と考えるのは消費者側からすると企画者側のエゴと感じる。その点で、リアルターゲットを徹底的に意識して作りこんだ製品は、既に従来品と差別化が図られ、特定層の嗜好にグサリと刺さる。
20%のこだわり
そして、2つめになるほどと感じた部分は、リアルターゲットに訴求する“こだわり”をプロダクトに盛り込む際、そのバランスはプロダクト全体の20%程度とし、意識的に80%程度の定番要素を残す、という考え。何故なら人は他人と違うということで優越感に浸りたいと思う以上に、他人と同じという安心感を求めているからだという。どんなにサイケで目が痛くなるような柄の服を着てても、下着は白いブリーフでないと落ち着かないということだろう。(ちょっと違うか?)
Webデザインにも同じことが言える。安心・安全な定番要素とほんのり違和感を与えるごだわり・オリジナリティ。このバランスの妙がデザインの極意ではなかろうか?
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